●まずは出会いから……
豊田(以下[豊])このプロジェクトではもう丸2年ですね。いのまた先生にはじめてお会いしたのいつでしたっけ? もうだめだ、忘れちゃった。
いのまた(以下[い])すごい前ですよね(笑)。たしか1年半くらい前かな。
[豊]ああ、そのくらいですかねぇ。最近、いのまた先生から頂いたFAXとかを処理しようとするとですね。まず年を96年か97年かをチェックしなければならなくなったんで。僕はとにかく全部とってありますから。あのころの印象といえば、とにかくですね、一軒家構えてて……。もう思っていた通りの方でしたね。けっこう昔から知っていましたし。私はアニメファンでしたからね(笑)。やっぱり『ウィンダリア』が最初ですか。みんなでどやどや押しかけたんですけど、自らお茶をいれて頂きまして、感激しましたけどね。
[い]いやいや、そんな。
[豊]とにかく、猫がすごいんですよね。
[い]猫はもうひどいもんですよ。でもなついているんですよね、豊田君には。
[豊]そう、いのまた先生との打ち合わせが終る頃にはですね、私のGパンは。
[い]毛だらけ(笑)。
[豊]灰だらけ。
[い]ゴミだらけ。
[豊]猫といえば、犯人もまだ明確じゃないんですけど、ソーディアンの絵を描いて頂いた時に、妙に汚れていることがあったんですよね。色付きの絵だったんですけど。
[い]あれね。まずいよね。
[豊]猫が踏んじゃったっていう(笑)。
[い]汚れてるんですよ。なんか、絵の具っていうかまだ乾いてないところを踏んで歩いたらしくて、点々とちょっと。猫の足跡が。多少あって。で、その紙が水に溶けちゃうんですよ。だから消せない。で、白い紙を張るかとか思ってたんですけど。それもみすぼらしいかもしんないと思って、そのまま渡して。素材ということで渡したんですけど。使うことがあったんで、やっぱり足跡があるのはよろしくないでしょうということで、書き直したんですよ。
[豊]でも、どのみち1本足りなかったんですよね。
[い]そうです。
[豊]1本書き足して、全部で何本かは内緒ですけどね(笑)。ごめんなさい、本当に。でも、ほんとに遠いんですよ、いのまた先生の家は。
[い]田舎ですいません(笑)。
[豊]私の実家が先生の家からクルマで15分の距離にあるんですよ。だから、先生宅に行くたびに実家に寄って、夕飯を食べて両親にサービスをして。逆に、実家の方から、「最近帰ってこないじゃない」という催促があると、「いのまた先生の原稿が遅れているんで、帰れないんだよ」って、先生のせいにしたりなんかして。
●依頼のきっかけは?
[豊]やっぱり、一番大きいのは、先生のイラストの美しさというか芸術といってもいいようなきれいなところで。作品のイメージにすごくあってるし、それを見たことでプレイヤーのイメージがばっと広がるんじゃないかということが一番大きな理由ですね。また何といってもですね、いのまた先生の書かれた作品というのが、キャラクターの人気が高まるんですよ。
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Mutsumi Inomata
キャラクターデザイン
いのまたむつみ
『宇宙皇子(キャラクター原案)』、『風の大陸(キャラクター原案)』、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ(キャラクターデザイン)』など、アニメのキャラクターデザインと作画監督で有名。ゲームキャラクターのデザインもいくつか手がけており、その繊細な画風と個性的なキャラクターは『テイルズ オブディスティニー』のイメージを大きく膨らませることに大きく貢献しているといえるだろう。ハマっているゲーム多数のゲームマニア(?)。最近のお気に入りは『鉄拳3』など。ジャンルは問わないそうだ。
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