寺本 秀雄
こんにちは。リッジV・サブ企画の寺本です。主に担当したのはメニューまわりとカメラ関係の仕様+データ作成+その他。今日はせっかくの機会なので、せいいっぱいの裏話とかしていきます。

今回のプロジェクトの初期も初期、たぶん「1つの街を舞台に走る」くらいのことが決まってた頃だったと思うんだけど、あるビデオを観たんですね。
それは写真家のバート・スターンが監督した1950年代末のジャズフェス記録映画とかってなんかもー字面だけ見ると嫌になるくらいええ格好しーの映画で、実際かなり格好いい(たまにはそんなの観たいときもあるんですよ)映像音楽満載映画なんだけど。
その映画の後半、ステージ上のルイ・アームストロングが下世話なMCをするシーンがあって。で、ひとしきり客に冗談放った後、司会者がルイに演奏を促して、「ルイ、この街は君のものだ」って言うんですよね。
そのセリフを聴いて、瞬間ガーンときたのを覚えています。それまでモヤモヤしてた考えが急にピキーンと焦点合う感じこの時点で、スタートカメラの演出やセレクト文章の語り口・後の「リッジシティFM」につながる演出の方向性が僕の中では決まったし、それ以上にスタッフみんなで作っていたリッジの世界観にばっちりハマるなって確信がありました。

この街はきみのもの。今回、遊んでくれるみなさんには街1個お買い上げいただこうと思いました。僕の担当個所で言うなら、レース中に見られない視点はスタート映像やリプレイで見せたり、セレクトの語りで景色に肉付けしていければと思ったのです。
はい。スタートカメラが飛ばされがちなのは知ってます。でも、それでも簡単なカメラで省略しちゃわなかったのは、街を感じられる余裕を残そうと思ったからなのでした。
もし良かったら、またリッジVを起動して、今日はスタートカメラなんてじっくり観てみるのをおすすめします。その際は、ぜひマニュアル記載のリッジシティの地図を片手に観てみて吉かと思います。あとはマニュアル1速固定で、ゆっくり街を流すのもいいですよ。
リッジシティを気にいっていただけたらいいのですが。それではまた、次のゲームでお会いしましょう。

(余談)ところで僕は何も作業してないんですけど、6月末発売の「Mr.ドリラー」は本気でおすすめですよ。開発中のスタッフ癒しゲーでした。