彼は渾身の力を込め、目の前に横たわる邪剣ソウルエッジに霊剣を深々と突き立てる……。
邪悪な意思を封じ、悪夢の記憶とともに自我を取り戻したジークフリート。
時折彼を襲う忌まわしき過去の戦慄、異形の右腕の感覚。
それは、ジークフリートの過酷な運命を暗示させると同時に、新たな脅威の誕生を予感させた。
……その予感は正しかった。封印されたはずの邪気は、大鎌を携えた魔術師の手により復活を遂げていたのだ。
遠く離れた地で、霊力を宿す末法鏡の欠片は危機を告げる。
邪剣の眷属はソウルエッジの次なる宿主を求め、闇を徘徊していた。
家族のため、邪剣を破壊せんと危険な旅を続ける者たちがいる。
邪剣によって人生を狂わされ、数奇な運命を辿る女。
人ならぬ存在と果ててさえ、その力に執着する者……。
いまや多くの戦士達の運命が、複雑に絡み合いつつあった。
数多の魂を得、ソウルエッジを手にしたナイトメアの邪悪な力はさらなる高みへと昇華していく。
もはや体内に留められぬほどの邪気は、捌け口を求めるようにナイトメアの体中から溢れ出ていた。そしてそれは狂喜の絶叫とともに体外に放出される。
大気は瞬時に灼熱と化し、大地は荒海のように波打つ。
暗雲が大空を覆い尽くし、強風が狂い吹き荒れた。
その邪気を全身で受け止め、ザサラメールは冥府の深淵を垣間見ながら笑みを浮かべる。
虎視眈々と期を伺う、この男の真の目的とは何なのだろうか……?
邪剣ソウルエッジと霊剣ソウルキャリバー。二本の双極の剣を巡る魂の物語は、
黄泉還ったナイトメアの咆哮を以て、再び幕を上げる……。 |