霊剣を守護する一族に生まれたながら、一族の戒律を破って追放されたザサラメールは、転生の秘術を修め、悠久の時を生きる存在である。
だが、彼はいつしか彼は生の喜びを失い、安らかな死を望むようになる。
そして、姿を顕わした霊剣と、それによって封じられた邪剣の双方の力が最高に達すれば、己の死を達成できると考える。
彼は邪剣を復活させるべく、ジークフリートの精神に揺さぶりをかけ、ナイトメアには強力な魂を食らわせるよう、行動していた。
そして、今一人、新たな生贄に狙いを定めた。
あのセルバンテスの娘にして、邪剣に対する強烈な憎悪を抱いているという女だ。
ザサラメールは腰を上げた。仕上げの時は迫っていた。 |