グラフィックチーム 「『売れるヤツにして!』?」
グラフィックデザイン:指田 稔

こんちは。さしだです。
微妙に知ってる方もいるかもしれませんが、ワタシ当時はまだエレメカ屋でした。
あれは98年の夏、テクノドライブ(※1)の開発がほぼ終了し、社内をフラフラ歩いていた私は廊下で岩崎にばったりと会いました。聞くと何か飛行機のゲームを作ってるとの事。その場の立ち話で「アンタどうよ?」みたいな話をしたんですが(※2)、気が付けばいつのまにかホントに参加する事になっていました。

当初は「おいおい、ほんとにオレなんかにやらせて良いのかよー?」とか自分で思いつつも、みんなの「今までのエースと違う、新しい物をやるぜ作るぜがんばるぜ」という思いに心打たれ涙して、地獄の底までつき合う覚悟を決めたのでした。(一部脚色アリ)そんなワケでして、家庭用はもちろん初体験。いろいろと苦労も多かったんです。ええ。

そんな事を思い出しつつ今回僕の担当した、グラフィック面についてちょびっとお話しましょうかね。
僕が今回担当してるのはデータースワロー(※3)や、HUDを含むシステムまわりの2D部分と、世界観を補足するマークやロゴ等の各種デザインでした。

まず初めに世界観を聞いて、「サイバー空間でネットでアレしてみたいな・・・」という、けっこうベタなオーダーが来たものですから、正直いって、「うっわー、これはけっこう上手くやらないとダサくなるかも・・・」と思い、危機感を感じつつ切り口を模索しました。
基本的には未来のインターネットブラウザなんだけど、『視覚化された電脳空間』を構成に取り入れるという部分でかなり悩みました。
さすがに真っ暗な空間にびゃーっとグリッドライン(※4)が敷かれてたりするとヤバイし、かといって映画JMのような高密度系サイバー空間描写もいまさらだしなぁ・・・と思ってたところで、ふと、以前に社内の友人スピン寺本(※5)に見せてもらったメガデモ(※6)を思い出し、それと今回のキーワードである、60〜70年代の未来的雰囲気が頭の中で組み合わさり、データースワローの背景である、チューブ状(※7)の表現にいきついたワケです。

各エレメントの動きも、プログラマーに無理言ってわざと微妙にずらしてみたり、あえてちょっと古っぽいアナログ感を出してみました。デジタルというより、凄まじく精密な機械仕掛けの雰囲気ってカンジです。この辺は効果音も良く聞いてもらうとわかるんですが、中西君にお願いして機械的なノイズをわざと入れてもらってたりします (※8)
どこか懐かしいファンタジックな雰囲気を持つ、硬質な未来観。それが今回のデザインコンセプトです。本人はいたってカッコイイと信じてやってます。どうですか伝わりましたか?